人は頭で理解しながらも、結局は感情でしか動き出さない 〜シリア難民と過労自殺とホロコースト〜

これは日記であり、何かを肯定したり否定したりするものではありません。

なんとなーく胸に巣食うモヤモヤを整理する為に書き出したものに過ぎません。

僕の拙い考えを補完して頂くみなさんのご意見・ご感想もウェルカムです。

それではどうぞ、よろしくお願いいたします。

 

先日ブログを書くにあたってある動画をリンクしました。

その動画の中にシリア難民の幼児が溺死し、海岸に打ち上げられている様子がありました。

その動画によると、その一枚の写真が世界に衝撃を与えて、難民受け入れの世論が高まった、とありました。

www.huffingtonpost.jp

あー、でもこの構造なんか最近あったなー、と思いまして、

そうそう、これこれ・・・

news.livedoor.com

2016年の「流行語大賞」にもノミネートされた”日本死ね”ですねー。

「”日本死ね”などとけしからん!」という声もありましたが、このセンセーショナルな内容に多くの人が共感して、待機児童問題にスポットライトが当たったことは事実だと思います。

 

さらにさらに・・・

www.sankei.com

✳︎先ず高橋まつりさんの安らかなご永眠を祈ると共に、ご遺族への哀悼の意を表します。

今年2017年は『働き方改革元年』と言われているそうですが、そう声高に言われるようになったのもやはり、このニュースがキッカケだったのでないのかな、と思います。

でも『過労自殺』なんて以前からあったんです。

このリンク先ニュースにもあるように電通では平成3年にも男性が長時間労働を苦に自殺しています。

でも今回の高橋まつりさんの件がここまで広く認知され、長時間労働を見直そう!という機運になったのかな?と。

その理由を誤解を恐れずに言えば、彼女が『母一人子一人で育ち、東大を卒業して、誰もが羨む有名企業に就職し、若く美しい女性』であったからなんだろうなー。間違いない。

だからニュースを知った誰もが彼女を哀れに思い、同情した・・・。

これが名も知られぬ会社で、学歴のない人の自殺であったら、膨大なニュースの陰に隠れて気づかれることもなく、ひっそりと時が流れたのではないかなーと思います。

 

シリアの子供、「日本死ね」、高橋まつりさん、

 

こういったセンセーション(或いは”キャッチーさ”)がなければもう、

僕らの周りに漂っている種々のモンダイが認知されなくなっているのは、

すっごく悲しいし、とっても生きにくいなー、と思います。

 

で最後、なぜ表題に「ホロコースト」なんてぶっ込んだかと言いますと、

 

シンドラーのリスト スペシャル・エディション [DVD]
 

 この映画、全編モノクロームなんですけど一部カラーなんです。

その一つに収容所に送られたユダヤ人の少女が目の覚めるような『赤』のコートを着ているシーンがあるのですが、その少女が後日亡骸となってそれこそまるで廃棄物のようにぞんざいに扱われます。

その『赤』が観客であった僕にとってもすごくセンセーショナルでしたし、同じように映画の主人公オスカー・シンドラーにとってもセンセーショナルだったと思うのです。

 

でその多くのユダヤ人の命を救ったシンドラーもナチ党員だったわけですが、

 

最後の晩餐 (光文社文庫)

最後の晩餐 (光文社文庫)

 

 僕の敬愛する開高健氏のエッセイですが、古今東西の食について書かれています。

この中で氏は「まずは悪食の類から」というので、人肉食(カニバリズム)について触れているのですが、そのエピソードの一つとしてアウシュビッツを訪問した時のことを書いています。

それを読むと極悪非道な振る舞いをするナチ党員も普段の生活はとても慎ましく禁欲的で、いわば党の方針に粛々と従がっているだけなんですよねー。だからこそ一層タチが悪い。

でも洗脳されていない人間にはセンセーションによって、気づきが与えられた訳です。

 

まぁ結局”人”というものは、センセーショナルな出来事が起きて初めてモンダイを認識し、アクションするという、法則に則るわけですわ。

こりゃ『炎上商法』がなくならないはずだな、すごく効果的だもん。